野田淳子さんの歌
2008年 09月 29日
5年前の20周年記念会のときには、私が「司法改革」について講演をしたのですが、今回は、還暦を迎えた伊賀弁護士が参会者のみなさんへの謝辞とともに、25年間の弁護士生活を回想する中で自分の生い立ちや生活心情を独特のユーモアを交えながら印象深く語りかけられた後(これは「伊賀節」といわれます)、今回はとくに、フォークシンガーの野田淳子さんの歌を聞くという興味あるプログラムが予定されていました。
野田淳子さんは、長崎県佐世保の出身で、電通で働きながらアマチュアとして活動中、上条恒彦氏に認められて1970年にプロデビュー。生きとし生けるあらゆるものの命への想いを、その透明感あふれる声に託して歌い続ける”心唄う人“として、幅広い層の支持を受けています。
10曲のうち、私は「千の風になって」だけしか知らない歌でしたが、野田さんが歌の合間にちょっと話される「トーク」がそれぞれの歌への思い入れとして印象的で、会場に響きわたる強く美しい歌声には、心底から心を打たれました。とくに、肉親を失ったはかない人の命に捧げる「千羽鶴」の歌のほか、いまなお戦禍にまきこまれている「戦争しか知らない子供たち」の歌は、涙なしには聞けないものでした。妻を亡くした私にとっては、「千の風になって」は、何度聞いても聞きすぎることはありませんでした。


