検事総長の見識を問う
2008年 09月 09日
第1は、裁判員制度導入についての評価です。法曹界の一部に反対論や延期論があるが、これは司法制度審議会から始まった改革であり、後戻りはできないとし、今起きている変化は、証拠開示が進み、取調べの一部の録音・録画も実現し、国選の弁護人も付くなど、弁護士会の考えに近づいてきているのに、反対するのはおかしいといわれています。
第2は、取調べの「可視化」との関係です。検察が取り入れた供述の一部録音・録画は弁護士会のいう「全面的な可視化」とは違い、供述の任意性立証のためのもので、日本の刑事司法における供述の重みを考えると、全面的な可視化はできないといわれています。
第3は、取調べへの弁護人の立会いについてですが、ここでも、日本の刑事司法における供述の重みから、短期間に真実を語ってもらうためには、弁護人の立会いがいいとは言い難いといわれています。冤罪防止との関係では、反省すべき点が多いとしつつも、それは取調べ方法の適正化と慎重な配慮によって対処すべきものであるといわれるのです。
以上の点から、日本の検察は依然として、密室での取調べの中で、きちんと本人に話してもらわなければ真実が発見できないという頑固な思想に固執し続けていることが判明します。西欧諸国だけでなく、お隣の韓国でも、検察が「全面的な可視化」と「弁護人の立会い」を認めていることをどのように評価されるのでしょうか。

