GNPとGNH
2008年 08月 29日
GNPは「国民総生産」の略語ですが、最近ではむしろ、GDP(Gross Domestic Product「国内総生産」)の方が、経済指標としてはよく用いられます。そして、この点では、日本がアメリカに次いで世界2位であることも衆知のところです。
ところが、GNHの方は、「国民総幸福量」と訳されるもので、「持続可能で公平な社会開発」「自然環境の保護」「有形、無形文化財の保護」「良い統治」という4つの主要な柱から成っており、国民総幸福量の増大が経済成長よりも重要であるとして、ブータンの国王が唱えたもので、すでに国連開発計画のアジア太平洋地域会議でも論議されている状況にあります。
「幸福」という主観を指標とするのは難しいのではないかという疑問もありますが、現にイギリスの研究者が、イギリスのシンクタンクのデータをベースにして、各種国際機関の報告書や聞き取り調査を分析し、173カ国についてGNHのランキングを行った結果が公表されています。
それによりますと、1位がデンマーク、2位がスイス、3位がオーストリア、4位がアイスランド、5位がバハマ、6位がフィンランド、7位がスウェーデン、8位がブータン、9位がブルネイ、10位がカナダ・・・ときて、日本は何と90位と低迷しています。
アジアで1位のブータンの調査と研究が必要なことを感じました。

