日本の警察・検察の超保守性
2008年 06月 05日
ところが、このブログでも紹介しましたように、西欧諸国だけでなく、お隣の韓国や台湾でも、法務当局自身がこれまでの密室取調べの悪弊を認めて、取調べ過程の全面的な録音・録画(可視化)を認める方向に舵を切りつつあるのです。
韓国の国立警察大学校の李東熹教授によりますと、韓国警察庁は、すでに2003年の段階で取調べの全過程を録音・録画するという方針を打ち出し、韓国の法務部・大検察庁も、取調べ全過程の録音・録画制度を導入する趣旨が、捜査手続の科学化を促進し、また人権擁護に資する捜査手続を確立するところにあるとしています。
これを、さきほどの日本の警察・検察当局の旧態依然たる権威的な態度と比較しますと、何と天と地ほどの差があることに驚かされます。両国ともに、密室取調べでの人権侵害が露見したことが契機になったのに、なぜかくもその後の対応が違うのでしょうか。
なお、韓国の大検察庁では、2005年に4カ国(米、英、豪州、台湾)の法曹人と現役警察官を招いて、シンポジウムを開催したとのことですので、日本でもこの機会に、衆議院で同様なシンポジウムが開かれるよう提案したいものです。法曹関係者がもっと発言し、マスコミも国際比較に言及してほしいところです。