台湾における被疑者取調べ
2008年 05月 24日
とりあえず、ここでは、台湾の刑事訴訟法を概説した部分と、とくに被疑者取調べの手続的保障規定を扱った部分から、注目すべき点を指摘しておきたいと思います。
台湾の刑事訴訟法は、日本の戦前の旧刑訴法を範とした中華民国刑事訴訟法を台湾に持ち込んだもので、大陸法系の職権主義の下で、被疑者は捜査の客体に過ぎないものでした。この刑訴法は、1935年以降、何度も改正され、1967年以降は、当事者主義的な構造に変化したのですが、1982年になって、捜査段階での弁護人依頼権、弁護人の立会い権、取調べ全過程の連続テープ録音・録画などの改正が、そして2003年には、自白法則、証拠排除法則、伝聞法則などを含む全面改正が行われて現在に至っていると総括されています。
この中でも、取調べの全過程の連続録音・録画が注目されるのですが、この点については、これまでは、自白の任意性の有無と供述内容の真実性を確認する手段がなかったが、今後は取調べの全過程について録音・録画システムを導入して、録音・録画の内容が事後に自白の任意性と供述内容の真実性を証明するのが最善の方法となるというコメントがついています。
わが国は、戦後いち早く当事者主義の刑事訴訟法を導入したといわれていますが、いまだに捜査段階の透明化は遅々として進まず、取調べ官に都合のよい「一部」の録画にこだわっています。この点でも、韓国だけでなく台湾にも大いに学ぶ必要があります。

