法制審、なぜ伏字
2008年 03月 24日
この問題について、私はかつて実際に法制審議会の匿名の議事録を読んでみて、それがいかにも不合理で公開の名に値しないものかということをかなり詳しく論じたことがあり、このブログでもかつて何回か触れたことがあります(2005年4月、5月、9月)。
ところが、3月22日の朝日新聞によりますと、ここにきて変化が起きそうだというのです。きっかけは、成人年齢の18歳への引き下げ問題で、法務省の意向で立案する他の制度と違い、国民投票法ができたのをきっかけに始まった民法改正論議では、法務省の方針は「白紙」。そこで、「世論を盛り上げなくては」と、鳩山法相がこの部会に限って氏名公開を求める意向を示したからです。
法務省は、これまで匿名は「規則で決まっている」の一点張りでしたが、今回は何らかの対応を迫られることになりそうです。法相の意向を無視してそのまま匿名とするか、あるいはこの問題の審議会に限り顕名にすることも考えられますが、そうすると顕名が他の問題の審議会にも波及するおそれがあり、困難なジレンマに立たされることになりそうです。
それにしても、肝心の法制審議会の委員の中から顕名の声が聞こえてこないのは、不思議としかいいようがありません。学界も声をあげるべきでしょう。

