団藤先生の先学訪問
2008年 02月 08日
そのもくじは、幼少期に育まれたもの(陽明学と武士道、動物を愛して、2回の飛び級、漢文・数学・語学が好き)、戦後の東大教官時代(GHQとの刑事訴訟法改正の折衝、三島由紀夫が書いた刑事訴訟法の答案)、最高裁判事に就任して(サ-・カール・ライムント・ポパーとの出会い、ユダヤ人談義)、いま学問に思うこと、望むこと(「科学技術」と「科学・技術」、「人間性のない刑法学は空虚であり、科学性のない刑法学は盲目である」、次代の若者よ、反骨精神を持て)というもので、いずれも団藤先生が自ら歩んでこられた貴重な体験談が凝縮されていて、一気に圧倒されてしまいそうな読後感が残りました。
その中でも、私としては、団藤先生の以下のような言葉が印象的でした。
「語学というものは、面白いですよ。・・ただ好きなだけです。勉強しました。・・勉強自体が好きなのですよ。・・勉強方法なんかありません。”好きこそものの上手なれ”なのでしょうね」。「とにかく頑張れといいたい。・・昔はもっと気骨のある連中が多かった。・・いまはその反骨精神がないですからね。みんなご無理ごもっとも」。「問題意識を持ったら、何にでも食らいついていく。しかし、もちろん、冷静に物事を見極める科学の目と、人の心を思いやる人間性は決して忘れてはならないですけどね」。

