9月1日の研究会
2007年 09月 02日
「医療と法」関西フォーラムは、医療問題に関心のある医と法の実務家および研究者によって作られた研究会で、2001年3年3月17日に第1回の研究会を開いて以来、今回の研究会で20回を数えることになりました。その間、シンポジウムとしては、2003年8月に、千里ライフサイエンスセンターで、「ターミナルケアーを考えよう」というタイトルで開催され、今回は2回目ということになります。
今回は、「医療関連死第三者機関検証システムについて」というのがテーマでしたが、これは、医療事故による患者の死亡が発生したときに、一方では医師の側に異常死について届出の義務がありながら限界が明確でなく、他方では遺族の側にも原因究明に不満が残るという現状の下で、2005年9月から大阪地域など数カ所をモデル地域とし、医療事故の発生・予防・再発防止を最大の目的として、第三者機関が診療行為に関連した死亡の調査依頼を受け付け、死因を究明して診療行為との関連性を評価するという「調査分析モデル事業」がスタートしたことに関係しています。シンポジストには、大阪地域の評価委員でもある外科医、弁護士、市民団体役員のほか、病理医、警察庁、法律学者が加わり、それぞれの立場からこのモデル事業に関連した報告があり、熱心な議論が展開されました。
議論の中からは、現状を改善するための新しい事業を実りあるものにするためにも、何よりもマンパワーの充実の必要性が繰り返し指摘されたほか、さらに問題の背景にある「医療不信」をいかに克服していくべきかという医療倫理(および患者倫理)の問題に注目が集まりました。

