京大時代の事務職員の来訪
2007年 07月 03日
幸いにも、私の手元には、京大退職時(昭和57年)に「京大職組法学部支部」の皆さんから贈られた寄せ書きが残っていましたので、この証拠品をめぐって話題が広がりました。その寄せ書きの中央には、杉村敏生先生が「新しい職場での奮闘を」と墨書されており、全部で16名の職員の皆さんが餞別の言葉を書き込まれています。その中には、もう亡くなられた方々もおられると聞き、年をとってからも元気で再会できたことを喜び合いました。
私は、昭和30年に京大助手に採用されて以来、最初から教職員組合に加入し、学問研究とともに組合活動にも参加していました。メーデーなどの行事にも参加しましたし、職員による野球大会にも出た思い出があります(田畑茂二郎先生や奥田昌道さんもご一緒でした)。
ところが、私が職組の委員長をしていた時期に、新左翼系の学生と職組との間にトラブルがあり、それが原因で、私の刑法の講義を一部の学生が妨害するという事態が発生し、そのために私は正規の講義ができず、学外で有志の学生にゼミ形式の講義をするという変則的な状態に陥ったのです。それが結局は私が京大を去る原因となったのですが、同じ職場にいた職員のみなさんがいまだに昔の親交を忘れず、旧交をあたために見えたことには感謝の言葉もありません。
なお、学外で講義したときの「テープ」がもとで、「口述刑法各論」(昭和50年)が出来たというのも皮肉な副産物だったと思います。