年金「怒り続く」92%
2007年 06月 26日
ただし、一方では、社会保険庁長官が全職員に賞与の返納を要請し、年金「おわび」の対象が1万7000人に及ぶという記事が出ており、社会保険庁長官をはじめとする職員のほか、厚労省の大臣や政務官、それに安倍首相や塩崎官房長官も賞与を自主返納するといわれています。このようなおわびの姿勢が、国民の怒りを静めるためであることは明らかでしょうが、それによって本当の責任者の追及がうやむやにされてしまうおそれがあります。その上、賞与返納金額がどの位になるか分かりませんが、この自主返納金が今回の年金記録問題の経費に直接あてられることはないということです。
それは、今回の年金記録問題の解決と処理のために要する膨大な経費が、すべて国費によって賄われるということ、つまり国民の税金を使って行われるということを意味しています。ところが、当日の新聞にはまた、国の借金が最多の834兆円に達し、「ローン地獄」脱出の道は遠いとの指摘があります。これが個人の家庭や地方自治体であれば、とうの昔に破産しているはずなのに、なぜ国は破産しないのかという疑問があります。
そこで、私としては、せめて今回の年金記録問題の処理費用は、原因を作りながら長年放置していた責任者が誰かを究明した上で、自己負担させることを提案したいと思います。
それにしても、低賃金で悲鳴をあげるボーナスゼロの福祉関係の現場職員に比べて、今回の社会保険庁長官のボーナスの自主返納額が270万円の高額に及ぶという事実こそ、現代の「格差社会」を象徴しているように思えてなりません。国会議員は10年払って月額29万円の保険金がもらえるという余りにも不合理な「特権」の廃止こそまず必要だといいたいのです。