年末研究会のこと
2006年 12月 29日
第1は、出席者が多かったという点で、最大40名にも達する勢いでした。大部分は院生などの若い会員ですが、顔と名前を覚えきれい位になったのは、嬉しい悲鳴というべきでしょう。しかし、ロースクールの現役教授の姿がなお少ないのは淋しい限りです。
第2は、今年から会場が立命館のロースクールの新しい建物(二条駅前)に変わったことで、便利になりましたが、レストラン付の立派な建物を前に、かつての立命館の広小路の狭く古い木造の建物を思い出し、時代の流れを象徴する姿を回顧しました。
第3は、報告の内容にも関連するのですが、刑法読書会の生みの親である佐伯千仭先生の業績を検討する一連の研究報告がはじまったという点です。私自身も、その課題の一端を担っているのですが、佐伯先生の著書をあらためて読み直す絶好の機会にめぐまれたことを、自分自身の研究の足跡を辿り、反省するという意味でも、有益な機会として真剣に取り組みたいと考えています。
第4は、今問題となっている日本のロースクールの問題との関連で、アメリカとイギリスのロースクールの比較という報告がなされたことです。イギリスの法実証主義的な伝統に対するアメリカの法政策的な思考という特色の差に興味を惹かれましたが、それ以上に、アメリカのトップ・ロースクール(200校のうち10校ほど)がその特色を象徴的に表現しているという指摘の中にアメリカの現実を知る思いがしました。

