北陸大学での最終講義
2006年 12月 04日
「私は、現在72歳になりましたが、2年前に・・・若い世代の仲間の皆さんが中心になって、私のために全部で5巻に及ぶ『古稀記念論文集』を献呈して下さいました。・・・研究者としての道に入った者として、このような論文集を献呈されることは最上の喜びであり光栄であります。国から頂くはずの『叙勲』については、私は考えるところがあって辞退しましたが、こ記念論文集は、私の生涯の『宝』として大切に保存しております。・・・献呈式のあとの祝賀会で、私は、大学における研究者の生活には2つのメリットがあると申しました。その1つは、学問以外の権威には決して服することなく自由であり得ることであり、もう1つは、学問の世界で超一流の人と業績のもつ魅力に直接に接することができるということであります。私は、権威主義的なきらびやかよりも、つつましい謙虚さの中にある一筋の誠実さを大切にしたいと思っています。そして、それを支える真の実力を蓄えて行くためには、何よりも自主的で継続的な『勉強』が必要であります。私は、今後も体力と気力が続く限り、『刑法との出合い』を大切にして、古い歴史的な問題にも新しい現代的な問題にも開かれた関心をもって勉強を続けて行きたいと考えています。皆さんには、『ともに研鑚しましょう』と呼びかけたいと思います。何かに興味をもって、楽しく『勉強』されることを期待してやみません」
あれから、もう8年が経過しましたが、当時の聴講生はどうしているのかなと思います。

