吉川先生の訃報
2006年 09月 03日
吉川先生については、このブログの昨年7月頃にも触れたことがありますが、今から思えば、奥様とご一緒に、京都駅前の新阪急ホテルのロビーでお会いしたのが、結局最後となりました。それ以上に、吉川先生のことが頭をよぎりますのは、最近になって、足立昌勝さんから2004年7月3日に行われた「吉川経夫先生『著作選集』出版記念会」のビデオが送られてきて、それを拝見したときの印象がなお強く残っていたからです。
9月3日になって、奥様にお電話しましたら、先生は、今年の6月ころから少し不調を訴えられていましたが、8月になって腹水がたまって入院検査後、自宅でご療養中の8月29日、奥様の手の上で「眠るよ」といわれたきり、まさに眠るように息をひきとられたと聞きました。病名が「膵臓がん」だったとお聞きして、私の家内のことを思い出しましたが、腹水がたまるという症状は同じでも、全身の苦痛にさいなまれるという痛々しい末期の症状が、吉川先生の場合には全くみられなかったと聞いて、安堵しました。
吉川先生とも長い年月の親しいお付き合いでしたが、佐伯先生と比較しますと、私どもの世代より少し上の、80をこえられたばかりの年齢ですので、まだまだ惜しい気がしてなりません。
このところ、立て続けに、佐伯先生と吉川先生を失い、一段と淋しさが身にしむ思いがします。
残された者としては、先生方の残されたご遺志を何とかして後世に、とくに若い人達に伝えて行く責任があることを痛感している次第です。