立命館大学法科大学院で講演
2006年 08月 02日
ただし、ロースクールが9月からは二条城の新しいキャンパスに移転の予定であると聞いて、便利になるのは嬉しいとしても、この地を去るのが惜しいというジレンマがあることもを感じとることができました。帰りは西園寺記念館から衣笠校舎まで歩きましたが、10分あまりもかかり、やはり不便さは免れないようです。
当日は、学期末試験の最終日に当たるということもあってか、多くの院生に緊張の解けた明るい雰囲気が見られましたが、若い女子学生の数が多い中にあって、やや年配の男性陣も混じっているという印象を受けました。
私は、「刑法の学び方ー私の経験から」と題して、約1時間の講演をしました。自己紹介では戦前戦後の歴史的な体験を話題にし、立命館大学との関係では長い非常勤講師の経験と最終講義の思い出などから立命館大学の学生へのシンパシーを語りました。私の刑法との出会いが瀧川先生の講義と佐伯先生の著書に触れたことにあり、それが外国文献の購読を基礎とした継続的な研究・著作活動と大学での講義への熱意につながったことを説明しました。
そして、学生諸君へのアドバイスとして、ロースクールに相応しい状況のもとで、講義の聴き方や本の読み方を自覚的に反省し、忍耐と継続によって、自分のレベルの確認とそのレベルアップの方法を真剣に探る必要があることを訴えました。
若干の質問が出た後、花束をもらいましたが、講演が終わってからしばらくの間、サインを求める学生の列ができたことは嬉しいことで、多くの学生と握手をして別れを惜しみました。彼らの初志の貫徹を心から期待したいものです。