最後の受講生の卒業
2006年 03月 24日
私の立命館大學での最終講義は、2002年1月で、その記録は録画されたものを保存してあります。しかし、私はその後も、2003年の9月と2004年の9月の2回にわたって、立命館大學のエクステンションセンターで、刑法の集中講義をしており、その記録もビデオに残っています。しかも、これらの講義録は、その直後の私の著書(新版・口述刑法総論、2003年、新版・口述刑法各論、2004年、成文堂)の実質的な基礎になっています。
実は、これと同様な経験は、30年以上も前に私が京都大学に在籍中の1973年当時、録音テープによる講義という異常な状態の中で、いわば怪我の功名として生まれた「口述刑法各論」(1975年、成文堂)と、その後、早稲田大学の法職講座で行った集中講義の録音に手をいれて作った「口述刑法総論」(1978年、成文堂)という著作の場合にも当てはまるものでした。
幸い、これらの著作は、予想を上回る多くの読者にめぐまれ、旧版の方はすでに絶版となってほとんど入手できませんが、新版の方は、今でも推薦者を介して、若い学生諸君の目に触れる状態が続いています。そして今、最後の受講生を送る機会に、初心に帰って、これらの著作の元になった講義を直接に聴講してくれた学生諸君との貴重な出会いがあったことをあらためて想起し、これらの皆さんの大學卒業後の活躍を心から祈念したいと思います。

