鹿児島モデル
2006年 03月 19日
この番組では、犯罪が世界的に増加傾向にあるなかで、日本の増加率が先進国のなかではもっとも高いという憂慮すべき状態にあること、都市部よりもむしろ地方の方に増加傾向が高く、とくに新たに交通手段が整備され商店街の進出等で便利になったような場所ほど増加率が高いという傾向がみられることなどが、統計マップを示してで指摘されていました。
ところが、不思議なことに、各地とも軒並みに増加しているなかにあって、鹿児島市だけは、ここ10年間、犯罪は増加せず、むしろ減少傾向を示しているというのです。そして、その理由のひとつとして、「校区公民館制度」というものがあり、小学校区を単位として、各小学校の敷地内に公民館が作られ、そこを中心として校区内の多くの市民が自由に教育・文化・スポーツなどの活動を少年と一緒になって、地域ぐるみで展開しているという実態があるというのです。とくに印象に残りましたのは、かつては不良少年で暴走族のリーダーだった中年の男性が、今やこの地域活動の中心メンバーとなって、少年への声かけ運動にいきいきと参加している姿、それから市長自身が、少年犯罪を取り締まるのではなく、犯罪を生まない家庭や社会を目指すべきだと謙虚に語っておられたことです。
これとは対照的に、イギリスのロンドンでは無数の監視カメラが設置されたけれども、その効果は一時的なもので、犯罪予防効果は小さいという報告が出ているということです。
この「鹿児島モデル」のその後の状況を是非ともフォローし、ひとつの芽として大切に育てて行きたいものです。

