天皇制について
2006年 02月 11日
「皇室典範改正の賛否を尋ねた記事があった。『賛成(39%)、反対(36%)の差はごくわずか』というものだったが、私は別の設問の数値に注目した。女性天皇に賛成ですか?の問いに、『女性もなれるようにした方がよい(61%)』に次いで、『天皇制はない方がよい(22%)』の答えが多かったことだ。私は天皇制に反対だが、今の日本の社会では、この意見はほんのわずかだろうと思っていた。だからこの数値に驚くと同時に喜んだ。戦後日本は身分制度を廃し、憲法はすべての国民の法の下の平等を規定している。だが一方で天皇制によって主権者である国民以上の存在、法の下に入らない存在を肯定している。すなわち生まれながらの身分を保障しているのである。この不徹底さが今なお多くの差別を根絶できない原因なのだ。生まれながらに尊い人がいる限り、生まれながらに卑しい人も存在し続けるのだ。私はコチコチの護憲派だが、改憲するならまず第1条からである」。
私自身も、この欄を見て、いささか驚いた。皇室典範の改正問題にはほとんど興味がないので、このような世論調査の存在することも知らなかった。そして私も、今の日本で、「天皇制がなくてもよい」とする共和制論は、ほとんど取り上げられることもないままに、無視されてきたのではないかと思っていた。この世論調査の内容を再確認してみたいと思う。
そして、今はもうすっかり忘れ去られているが、1945年8月15日の敗戦当時に、天皇の戦争責任が問題になり、それが憲法の「象徴天皇制」に落ち着いた歴史的事実を今一度フォローして見たいと考えるようになった。

