「有識者会議」とは何か
2006年 02月 08日
これらの問題は、いずれも国の基本的な政策にかかわる重要な課題であり、専門家の間でも意見の分かれるものですから、まずは慎重な調査研究から始めるのが当然と思われるのですが、現実には「有識者」に選ばれた少数の人々の意見によって、政策の基本的な方向が決せられていまうという手続自体に問題があります。
そして、実際には、当局の目指す結論に賛成することを期待できる人が有識者の多数になるように、巧みな人選が行われることは、これまでの各種審議会の人選からも十分に予測されます。有識者の中には、財界や官界の代表者が有力なメンバーとして含まれているのです。
問題は専門家としての大學の教授ですが、特定の利益代表ではなく、独立した中立の立場が期待されるにもかかわらず、政府の政策に異を唱えることは困難な状況に立たされます。大学や市民の代表として選ばれたのではなく、当局によって「有識者」に任命されたのですから、そこには最初から限界があると言わざるを得ないでしょう。
しかし、それにもかかわらず、私はこれらの学者「有識者」に対して、説得的な少数意見を主張ないし紹介する勇気を期待し続けたいと思うのです。

