代用監獄存続の理由
2006年 02月 05日
これによると、代用監獄制度の廃止をめぐって意見の対立があったが、提言は、その存続を前提に収容者の人権を保障する仕組みを考えるべきだと指摘し、弁護人との「電話接見」などを認めたという。
「代用監獄」は、1908年の監獄法制定の際に、本来の「拘置所」(未決監)の不足から警察に附属する「留置場」を被疑者・被告人の拘置場所に代用して以来、実に100年近く存続してきたものであり、単に古いだけでなく、被疑者・被告人の身柄を警察の管理下におくことによって、拷問、自白強要などの人権侵害を生み、冤罪の温床となってきたものである。
日本独特の代用監獄制度は、国内的な批判のみならず、国際的な批判にもさらされており、国連総会の禁止決議のほか、1993年に国連自由権規約委員会は日本政府に代用監獄の廃止を勧告したという経緯も存在する。
それにもかかわらず、有識者会議はあえて代用監獄を存続するとし、将来の廃止の展望さえ示さなかった。問題はその理由であるが、「刑事司法手続は各国の歴史と国民性を背景にしており、これを度外視した『国際基準』を尺度に議論すべきではない」というのである。
しかし、これはおかしな論理であり、これでは「国際人権法」は軽視してよいということを自認したことになる。一方では、テロや組織犯罪対策の面の国際水準の達成には熱心なのと比べても、明らかにバランスを失している。
代用監獄存続の歴史と現状を誰が作ってきたのかという点を含めて、有識者会議の多数意見の批判的な検討が必要であることを指摘しておきたい。

