荒神橋と鴨川
2006年 01月 30日
天気は快晴で風もなく、遠くには雪の北山が展望され、空気は清浄で川辺は明るく輝いており、犬と散歩する人やジョギングする子ども達の姿も見られて、すっかり気分が爽快になりました。いつもは、付近の景色を見ながらこの橋を渡るだけなのですが、一歩川辺に降り立ってみると、自然との距離が近くなり、より新鮮な感覚を味あうことができることを実感しました。
ところで、この「荒神橋」には、私が京大の学生時代に発生した「荒神橋事件」の歴史的な思いも交錯しています。もう記憶は遠くなり、すぐに思い当たる資料も手元にありませんので、おおまかな回想ですが、たしか昭和25年(1950年)頃に、京大生を主体としたデモ隊がこの荒神橋の上で、京都府警の警察官と衝突するという事件が発生したというものです。すでに、その前の1949年には、下山事件、三鷹事件、松川事件という怪事件が相次いで発生し、誘発された社会不安と反対運動を取り締まるために、占領軍の勧告を受けて、各都道府県にデモを規制するための「公安条例」が相次いで制定されるという暗い時代に入っていたのです。私自身は、結核にかかって帰郷していましたので、犠牲を免れましたが、、私の友人にも逮捕者が出たと聞きました・・・・・・。
その後、私は「現代社会と治安法」(岩波新書、1970年)を書いて、戦後の反動期の治安法の動きもフォローしたことがありますが、大東亜戦争の惨禍から日本人は何を学んだのかということを繰り返し反省してみる必要があるという思いは今も変わっていません。
しかし、それにしても、今は京大生のデモなど考えられないという状況の下では、荒神橋の思い出も忘れ去られてしまいそうな淋しさを感じつつ、橋を後にしました。

