60年ぶりの大雪
2005年 12月 21日
私は滋賀県の最北部の「余呉村」(今は余呉町)に生まれましたので、子どものときから冬は雪との長い付き合いがあります。今年も余呉町柳ヶ瀬の大雪が報じられていますが、かつての大雪は今の比ではありません。今との決定的な違いは、2メートル、3メートルという雪の高さと量だけではなく、11月末頃から積雪が始まって、降り続いた雪が翌年の3月ー4月頃まで山も田畑も住宅も埋め尽くすという「長い雪の季節」が継続していたという点にあります。屋根の雪を落とせば家が雪に埋まって戸が開かず、暗い家の中に閉じ込められ、道路の雪も藁靴で踏みつけて歩き、黒い土は長い間見られない状態が続いていたのです。母親は、降り続く雪を仰いで、この雪の中に少しでも砂糖が入っていればと嘆いていたことを記憶しています。
小学校へも細い雪道をマントを着て長靴を履き一列になって集団で歩いて毎日登校しました。
学校に着いたら汗びっしょりという状態でしたが、教室には大きな木炭のストーブがありました。
学校の校庭も雪で一面真っ白でしたが、子ども達は元気に遊んでいました。しかし、私は手足に「しもやけ」ができて難儀したことを覚えています。
中学は虎姫まで5年間汽車で通学しましたが、敦賀方面から来る蒸気機関車は雪のために遅れるのが通常で、駅の石炭ストーブを囲んで時間待ちをするのが慣わしでした。60年以上も前の「雪の季節」との長い付き合いを懐かしく思い出すこの頃です。