反響に驚いています
2005年 11月 21日
ただし、大學の教員である限り、教育と研究のいずれも大事にすべきであって、そのバランスと相互促進の効果をいかに維持していくべきかという重い課題は残っています。かつての古き良き大學では、教育面の負担が相対的に軽く、研究面への関心と時間的余裕に恵まれていたのですが、最近はこの関係が明らかに変化し、両者のバランスを維持することが次第に困難になってきているということができます。そして、法科大学院では、この矛盾がもっとも著しく現われているように思われるのです。
「法科大学院」の性格については議論のあるところですが、それが実務家養成試験のための予備校といったものでない限りは、実務家教員とは異なる研究者教員の役割があるはずで、研究者としての資質と力量が「教育」面に反映されることが期待されているというべきでしょう。そして、法科大学院の教員にそのようなプラスアルファを期待するのであれば、それに相応しい保障のもとで、いっそうの研鑽が要請されるということになるでしょう。
ただし、それ以前に、法科大学院の学生の希望と努力が報われるような未来図が描ききれないところに、根本的な制度的問題があることはいうまでもありません。

