連休の仕事
2005年 09月 19日
ところが、私は今、新しい本の出版を予定して、出版社から送られてきた200頁を越える「校正刷り」の原稿を再読した上で、訂正箇所に「赤」を入れる作業に、文字通り忙殺されている。
これは、根気のいる作業であるが、本になる期待もあって、内心は大変楽しい仕事なのである。
聴くところによると、学者の中には、校正刷りが出てから考えて、赤ペンで原稿を真っ赤にしてしまうという人もいるらしいが、私自身は、昔から、校正は原稿の再確認と形式的なスタイルの調整などが基本で、訂正箇所の赤は少なく、例外に属する。
しかし、自分で自分の文章を読むのであるから、どうしても読み流してしまう傾向があり、後になって読者から「誤植」を指摘されることも少なくないのが現実である。校正の専門家の目を通すのが最も確かな方法であるが、その暇がないことが多い。
今回の書物は、最近出版したばかりの「心神喪失者等医療観察法の性格」(2005年3月、成文堂)に引き続いて、この法案を審議した衆・参両院の議事録をもとに法案の審議過程をできるだけ詳しくフォローしたものであり、「心神喪失者等医療観察法案の国会審議過程の全容」と題したものである。こうして、同じテーマで2冊の書物を相次いで出すという異例の事態となったが、本法はすでに本年7月に施行されていて困難な問題が山積しているので、できるだけ早く出版できるよう努力したいと思う。