自分の本を読む
2005年 07月 21日
結果的には、何とか無事に役目を果たすことができ、大學の研究者だけでなく、法務省や医療刑務所のスタフ、それに精神科医の方々とも交流することができて、私自身にとっても大変勉強になった。帰りには、明治大学の院生からサインも求められた。
今回のテーマは、私が年来勉強してきたものなので、特別の準備はしないつもりであったが、折角の機会なので、関係する文献や資料を読んで論点を整理する準備作業をした。そして、その過程で、実は自分の書いたものも改めて読み直してみて驚いたことがある。
それは、かなり古いものであれば、自分で書いたことも細かい点は忘れてしまっているということであり、大事なところは再確認のためにコピーをとって持参することにした。最近は、忘れることが多くなっていたが、自分の仕事についても例外ではないという現実に気づかされたのである。脳の老化現象は確実に進んでいるのであるが、その進行をどこまで遅らせることができるかが問題であり、これも工夫次第であることを実験してみたいと思うようになった。
この研究会では、平野刑法学の特色が合理的で柔軟な問題解決的思考方法にあり、初期の目的的行為論への傾倒は異質のものであったこと、心神喪失者法は「医療モデル」であって、人格障害者対策とは別次元のものであることなどの点を指摘した。

