夏休みの使い方
2005年 07月 19日
しかし、学生諸君はいうに及ばず、研究を本務とする教員の職にある者にとってさえも、与えられた長い夏休みを有効に使うことができたかは疑問で、むしろ結果的には失敗の繰り返しに終わるという苦い経験をすることが多かったのではないかと思われるのです。
その理由の第1は、普段は出来ないで溜めていた宿題を全部夏休みに丸投げすることによって、夏休みが過大な負担を背負いこむという「無計画性」にあります。夏休みに入る前に、宿題を整理した上で、夏休みの期間に実現可能な計画を立てるべきでしょう。
第2は、夏休みが長いからと安心して、なかなか態勢がとれないまま、スタートが遅れることが多いということです。夏休みの後半になってようやく開始したけれども、軌道に乗らないうちに終わりが見えてきたため、あわててその場を濁すという中途半端なことになりかねません。むしろ、十分な準備を整えて実行に着手する前半こそが勝負であって、できれば7月中に一定の方向性を出しておかないと手遅れになるおそれがあるでしょう。
第3は、継続性を確保することが難しく、中断したり、停止したり、やり直しになったりすることが多いということです。無理をしなくても、コンスタントなスピードを維持することができるための工夫を編み出さなければなりません。「急がず、たゆまず」という新渡戸稲造博士の格言を肝に銘じるべきでしょう。
今年の夏も暑そうですが、私自身も、9月始めまで努力して、その成果を反省したいと思います。

