日弁連の刑事法制委員会
2005年 07月 18日
この委員会の名称には変遷があり、かつては刑法改正阻止実行委員会と呼ばれていたこともあったように、保安処分を含む刑法改正問題に深くかかわるものであった。そして、私自身も、学界でこの問題を終始追っかけてきたのである。
この委員会の最大の魅力は、創設以来の中心的メンバーが、各人の思想的な立場は異なり、それぞれきわめて個性的であって、相互に自由かつ率直に批判し合いながらも、しかし肝心の人間的な連帯と弱者保護の観点では、瓦いを信頼して一致点を見出そうとする絶妙のチームワークによって結ばれていたという点にある。
私は、この魅力に惹かれ、委員会に参加することが楽しく、その中で気持ちよく勉強させてもらったことを感謝している。原秀夫先生は亡くなられたが、今でも、渡辺脩、高木茂、石川元也などの古いメンバーはなお健在で、委員会はさらに若いすぐれた人材を加えることによって、かつての雰囲気を維持し続けている。犯罪化と重罰化の荒波が押し寄せてきている現在、この委員会の存在意義はますます高くなることは疑いない。古き良き伝統を維持発展されることを心から期待したいものである。
私も、古いメンバーとともに、もうしばらく何らかの貢献をしたいと思う。

