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最近大学を離れ、論考を公表する機会が少なくなってきました。論文として公表する以外の資料や感想文などを公開する場を持ちたいと考え、このブログを開設しました。


by nakayama_kenichi
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外国語の勉強

 外国語を勉強する人は多いのですが、これをマスターすることのできた人はきわめて少ないのが現状です。最近では、国際交流が増えて、外国語との距離が近くなったように思われるのに、かえって学習のレベルが下がっているとも言われるのです。私どもが学んだ旧制高等学校では、英語、ドイツ語、フランス語のうち2か国語が必須科目だったのですが、最近の大學では第2外国語の受講が減少し、1か国語に縮小される傾向にあるというのも淋しい現象です。
 そこで、私の経験を披露して、反省点を含めて参考に供したいと思います。
 私は、旧制中学の5年間と、高等商船学校の1年半は「英語」を勉強し、旧制高校では、「英語」と「ドイツ語」を選択しましたが、旧制大学には語学の科目はないまま卒業しました。しかし、大學在学中にシベリア帰りの友人から「ロシア語」の初歩を学び、以後独学で勉強しました。
 このうち、一番長いのが英語ですが、あまり上達せず、とくに会話は全く駄目だったのです。しかし、ポーランドに2年間留学した機会に、「ポーランド語」や「ロシア語」よりも、むしろ英語で生活するというスタイルを身に着けたおかげで、ある程度のレベルに達することができました。
 しかし、ドイツ語は高校の単位を取得しただけで終わったために、ドイツ刑法学の研究には終始遅れをとり、ドイツ訪問中も英語ですますという危ない橋を渡りました。
 一方、ロシア語の方は、案外にも急速に伸びて、専門の本や雑誌論文を数多く翻訳して資料化するという仕事を残すことができました。しかしこの仕事も、ソ連の崩壊とともに終わってしまうことになったのは残念です。
 外国語の勉強には、何よりも忍耐力が必要ですが、実は外国語の勉強が日本語の読書力と理解力を磨くためにも最適のものであることを強調しておく必要があると思います。是非、興味をもって外国語にチャレンジされることを期待します。
 
by nakayama_kenichi | 2005-07-08 19:07