心神喪失者法施行前の危うさ
2005年 06月 19日
この法務委員会では、本法の施行直前の準備状況について、とくに拠点となる指定入院機関の整備状況に質問が集中したが、塩田政府参考人(厚労省社会・援護局障害保健福祉部長)の答弁は、全国で24ヶ所700床の予定のうち、現時点では国立が3ヶ所、都道府県立が1ヶ所の99床分の整備にとどまっていることを認めた上で、しかし法の施行自体には支障はないと考えているとしつつ、仮に本来の指定医療機関の整備に不足が生じる場合があるとすれば、何らかの代替的な対応について検討することが不可避ではないかと考えているというものであった。しかし、その代替的な対策とは何かという質問に対しては、その具体的な内容を明らかにすることなく、関係者の意見を聞いたうえで英知を集めて対応を検討するという答弁に終始した。
また、法施行時点での目標とその具体的な数値、当初の予定がいつまでに達成されるかという年限についても今は明らかにできないのかという質問に対しても、南野法相はただ7月15日を目途として準備しているという答弁にとどまっている。
しかし、これでは法の施行後に指定医療機関に深刻な不足が生じることはむしろ明白であり、そのことを認識しながら施行に踏み切ることは無謀であり、無責任であるというべきである。
さらに、鑑定入院中の医療に関する規定が本法には欠けているという批判が出ていることを承知の上で、その問題に触れることなく、それは精神医療の課題のひとつとして認識しているという答弁ですまされていることは驚きのほかはない。

