人権と特権の区別
2005年 06月 14日
一方、「特権」とは、特定の(身分や階級に属する)人に特別に与えられる優越的な権利であり、憲法14条は「①すべて国民は、法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において差別されない。②華族その他の貴族の制度は、これを認めない。③栄誉、勲章その他の栄典の授与は、いかなる特権も伴わない。栄典の授与は、現にこれを有し、又は将来これを受ける者の一代に限り、その効力を有する」と定めています。
このうち現在重要なのは、基本的人権の保障と特権の排除をうたった憲法の根本原則が次第に形骸化して、日本社会にも次第に「格差」が顕在化するようになりつつあるということです。その結果として、市民の平等な人権の保障というよりも、むしろ一部の階層の「特権」の復活と助長が目立ってきています。「人権」は、市民間の連帯的な関係として相互の調整が可能ですが、「特権」は上下の関係として常に上位者の優越的な利益が保障されるという不公正を内在しているのです。
議員年金制度のほか、権力と癒着した労働組合の既得権でさえも容易には解消されない反面、弱者を救済するための社会保障制度は切り詰められる傾向にあります。しかも、国の行政の官僚的な手法を司法がチェックする姿勢がないとしますと、法が国家に対する市民の権利を保障するものであるとする憲法の根本思想が危殆に瀕することになるでしょう。

