京都大學教官研究集会について
2005年 05月 03日
京大教官研究集会は、1960年の日米安保条約改定期における国会の強行採決に反対する民主主義擁護の国民運動の中で生まれたもので、当時の記録によれば、1960年6月14日に有志教官38名が発起人となって安保改定問題について第1回の全学教官研究集会が開かれて声明を採択し、学内教官の間で署名運動が行われている。
そして、1960年7月に世話人会が形成され、恒常的な組織として活動することになった。規約は明文化されなかったが、「目的」は安保問題で危機に瀕した民主主義を守り育てることとして意思統一し、「事業」としては学内外の諸問題に学部の枠をこえた全学的な立場から研究と話し合いの場を作り、専門分野の知識を交流することによって学部間の交流を行うこと、さらには学生をも対象にした講演会を開くことなどが提案された。
この京大教官研究集会は、その後1969年まで、約10年間、京都大学内の学部をこえた自主的な教官の集まりとして、実にさまざまな学内外の問題について活発な意見の交換をし、社会的なアピールの活動もしていた。その中には、安保問題のほか、大學の自治と大學管理問題、紀元節問題や小選挙区制の問題、日韓問題やベトナム問題まで含まれている。
当時の世話人は、各学部の中心的な錚々たる教授陣であったが、今では亡くなられた方が多く、事務局のメンバーもすでに退官している。私も、事務局員のひとりであったが、当時のl記録を復元することによって、国立大學の教員による自主的でリベラルな活動の「息吹き」の一端を明らにしたいと思う。この続きは、またの機会にする。
「国立大學法人」(独立行政法人ではなく)となった国立大学における大學の自治と学問の自由の現状については、現役の教員に聞いてみたいと思う。

