『概説刑法I』の出版
2011年 03月 18日
本書は、1989年(平成元年)に出版した旧著の初版以来、20年以上も経過した後に、これをあらためて「書き直した」もので、新版として出版することになったものですが、私としては、最初は全く予定外の仕事であっただけに、特別の感慨があります。
私は、もう現役の世代をはるかに越えており、若い現役世代の学者の手になる刑法の教科書が数多く出版されていますので、もう出る幕はないはずですが、幸い『口述刑法総論・各論』(初版2003年、2004年)が意外に好評で、いまだに読者の需要があるだけでなく、『概説刑法』の改訂を要望する声も多いと聞き、出版を決断した次第です。
一冊の本が出来るまでには、多くの困難な問題があるものですが、今回は、年をとって能率が落ち、内容的にも時代遅れになるというデメリットの反面、大學での講義や雑事(これが最近は増えているようです)からは完全に解放され自由な時間を確保できるというメリットも利用できました。研究会等を通じて、若い世代の人々との交流ができる機会と場があるというのも、プラスの要因として働いています。
なお、これまでに出版した著書を数えて見ましたら、40の大台を越えて41冊目となっていることが分かりました。内容はともかく、数だけではひとつの記録となりそうです。また最近になっても、私が若かった頃の講義を聞いたことがあるという知らせがとどきますと、なつかしく嬉しい気持になるものです。
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長岡天満宮の梅林(3月16日)