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最近大学を離れ、論考を公表する機会が少なくなってきました。論文として公表する以外の資料や感想文などを公開する場を持ちたいと考え、このブログを開設しました。


by nakayama_kenichi
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政局の混迷を憂える

 2009年6月に発足した民主党政権は、政権交代の旗を掲げて華々しくスタートしました。国民は、脱官僚と政治主導の理念に期待し、事業仕分け活動などの積極的な改革を評価したように見えたのですが、鳩山首相自身と小沢幹事長をめぐる政治とカネの問題で古い自民党的な体質を露呈したほか、沖縄の普天間米軍基地の県外移転を公言しながら、まともな折衝もせずに結局は実現不可能になるなど、国民の期待を大きく裏切る結果となって、1年足らずの2010年6月に鳩山内閣は総辞職に追い込まれました。
  これを引き継いだ菅内閣も、2010年秋の参院選挙で敗北した後は、ねじれ国会の下での妥協策に追われながら、党内の小沢問題の処理に足を引っ張られて、積極的な改革を打ち出すことができないまま、受身の姿勢を強いられ、予算案を含む懸案事項はほとんど先送りになるという失速状態が続いています。
  今後の動向は、予断を許しませんが、たとえ解散・総選挙になるとしても、国民の要求を結集できるような政党や政治グループが存在しなければ、混乱の収拾と前進は望めないでしょう。この点では、古い「自民党」政治への復帰を許さないためにも、まずは政権党となった「民主党」自体の再建が期待されるのですが、小沢一派との決別を明確に前提とした上での再結集を期待するほかはありません。小沢氏の無責任な言動とそれを取り巻く一派の陰険な策謀への国民的な批判をマスコミはもっと強調すべきでしょう(朝日新聞2月24日の「声」欄)。
  本来ならば、革新政党の出番を期待したいところですが、最近の状況は不思議なほどみじめな状態にあります。各地に「9条の会」などの地域的なボランテイア活動が存在するにもかからわらず、そのエネルギーを学生運動や労働運動につなげる兆しさえ表面化しないというのも、現在の日本における政治活動の貧困をあらわしているように思われます。
by nakayama_kenichi | 2011-02-24 11:12