政局の混迷を憂える
2011年 02月 24日
これを引き継いだ菅内閣も、2010年秋の参院選挙で敗北した後は、ねじれ国会の下での妥協策に追われながら、党内の小沢問題の処理に足を引っ張られて、積極的な改革を打ち出すことができないまま、受身の姿勢を強いられ、予算案を含む懸案事項はほとんど先送りになるという失速状態が続いています。
今後の動向は、予断を許しませんが、たとえ解散・総選挙になるとしても、国民の要求を結集できるような政党や政治グループが存在しなければ、混乱の収拾と前進は望めないでしょう。この点では、古い「自民党」政治への復帰を許さないためにも、まずは政権党となった「民主党」自体の再建が期待されるのですが、小沢一派との決別を明確に前提とした上での再結集を期待するほかはありません。小沢氏の無責任な言動とそれを取り巻く一派の陰険な策謀への国民的な批判をマスコミはもっと強調すべきでしょう(朝日新聞2月24日の「声」欄)。
本来ならば、革新政党の出番を期待したいところですが、最近の状況は不思議なほどみじめな状態にあります。各地に「9条の会」などの地域的なボランテイア活動が存在するにもかからわらず、そのエネルギーを学生運動や労働運動につなげる兆しさえ表面化しないというのも、現在の日本における政治活動の貧困をあらわしているように思われます。