「一日一善」の終末
2011年 02月 15日
その奥さんが、昨年10月に軽い脳梗塞で倒れて入院治療の後、提携病院でリハビリを続けられていることも報告してきましたが、年を明けても、なかなか退院の目処が立たず、かえって全身の衰弱が進んでいることを心配していました。
その間、同じく90歳のご主人が、毎日入院先の病院まで、バスや車で介護に通われている姿を見て、感服するとともに、ご主人の体調の方も心配になっていました。心臓の手術をし、膀胱がんの後遺症をかかえながら、しかし自動車を運転されるという傑物ですが、何といっても年は争えないからです。
ところが、数日前から奥さんの容態が悪化しはじめ、食べ物が喉から入らなくなり、点滴で栄養を補給する状態が続き、意識はあるものの、次第に反応が鈍くなり、呼吸も苦しくなって人工呼吸器をつけるというように、典型的な末期症状が現れるようになりました。
私が最後にお見舞いに行ったときには、一時の幻覚症状は消えていましたが、言葉の意味が不明で、しかし別れるときはおだやかに手を振っておられました。しかし、結局は、2月15日未明に、亡くなられたことをご主人から聞きました。残念ですが、こればかりは何とも致し方ありません。お元気であったころの思い出、とくに食堂で一緒に食事をした後、1年以上もの間、マンションの廊下を2人連れで歩いたという貴重な体験を心に残しつつ、今はただご冥福を祈るのみです。今日は、喪に服します。

