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最近大学を離れ、論考を公表する機会が少なくなってきました。論文として公表する以外の資料や感想文などを公開する場を持ちたいと考え、このブログを開設しました。


by nakayama_kenichi
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恒例の年末研究会

 今年の年末も、12月25日(金)と26日(日)の両日、立命館大学(二条キャンパス)で、刑法読書会の年末集中研究会が開催されました。両日ともに、この冬一番の寒さだったにもかかわらず、今年も延べ約30名の会員が集まりました。私自身は、昨年と同様に、今年も二日目の1日だけしか参加できずに終わりましたが、それでも、若い研究者の方々と一緒に年末を締めくくる研究会に出られたのは幸いでした。
  「刑法読書会」のことは、このブログでもたびたび触れていますが、この機会に、かつて約30年前の書物(『梁山泊の人々』泉ハウス・刑法読書会20周年記念文集、1978年)の中から、創始者の佐伯千仭先生の文章(「刑法読書会ことはじめなど」)の中の一節を引用しておきたいと思います(前にも一度引用したことがあるような気もしますが、ご容赦を)。
  第1は、ものごとは、20年続いたら、一応「本物」だと考えてよく、それは、日本の軍国主義やヒットラーなどのファシズムが、一時は跳梁跋扈したものの20年以上は続かなかったという歴史的経過からもわかるといわれていたことです。そして、「願わくは、刑法読書会が、未来に対する適確な予測のもとに、会員ひとりひとりの研究心を刺激発揚させる共同研究の組織であり続けるように、そして、そのためには、会員のひとりひとりが、会を自分のために大いに利用するとともに、また他の会員の研究にも関心を持ち協力的であり―――それは必ず自分の研究を広げ深めることになる―――さらに会そのものの維持発展のために応分の犠牲を惜しまれないようにと、願っている」と結ばれています。
  第2は、その佐伯先生も、立命館を定年退職後は、弁護士に専念され、ことに70歳に達してから後は、老害を及ぼさぬよう、時おり、研究会をのぞかせてもらう程度であるといわれていた点です。そして、この点では、私の方が80歳を越えても、なお参加して老害を及ぼしているのが、気恥ずかしい次第です。
by nakayama_kenichi | 2010-12-27 18:09