恒例の年末研究会
2010年 12月 27日
「刑法読書会」のことは、このブログでもたびたび触れていますが、この機会に、かつて約30年前の書物(『梁山泊の人々』泉ハウス・刑法読書会20周年記念文集、1978年)の中から、創始者の佐伯千仭先生の文章(「刑法読書会ことはじめなど」)の中の一節を引用しておきたいと思います(前にも一度引用したことがあるような気もしますが、ご容赦を)。
第1は、ものごとは、20年続いたら、一応「本物」だと考えてよく、それは、日本の軍国主義やヒットラーなどのファシズムが、一時は跳梁跋扈したものの20年以上は続かなかったという歴史的経過からもわかるといわれていたことです。そして、「願わくは、刑法読書会が、未来に対する適確な予測のもとに、会員ひとりひとりの研究心を刺激発揚させる共同研究の組織であり続けるように、そして、そのためには、会員のひとりひとりが、会を自分のために大いに利用するとともに、また他の会員の研究にも関心を持ち協力的であり―――それは必ず自分の研究を広げ深めることになる―――さらに会そのものの維持発展のために応分の犠牲を惜しまれないようにと、願っている」と結ばれています。
第2は、その佐伯先生も、立命館を定年退職後は、弁護士に専念され、ことに70歳に達してから後は、老害を及ぼさぬよう、時おり、研究会をのぞかせてもらう程度であるといわれていた点です。そして、この点では、私の方が80歳を越えても、なお参加して老害を及ぼしているのが、気恥ずかしい次第です。