ビデオの流出と守秘義務
2010年 11月 13日
問題は、本件の公開された映像が、国家公務員法の定める「守秘すべき秘密」に当たるのかという点ですが、「一般に知られていない」「秘密として保護に値する」ものをいうとする判例の基準から見ても、すでに事件は広く知られ、一部は国会でも公開されているからもはや秘密とはいえないという説と、非公開とした政府の外交上の判断に抵触する限り秘密といえるという説に分かれています。
政府は後者の解釈に立って、保安官の行政処分や刑事責任の追及に向かう可能性がありますが、しかしそのためには、非公開とした外交的判断が国民に説明され受容されたものであることが必要な前提であり、この点があいまいなところに問題があると思われます。
保安官の独断的な映像の公開には、手続的な問題を含む慎重さの欠如が見られますが、行為が違法とは思わなかったという発言からは、情報の公開が国民の利益にかなうという「内部告発」的な心情があったのかもしれません。そうだとしますと、結果的にも今回の映像の公開が日中の外交関係に悪影響を与えたものでない限り、むしろ刑事訴追や処罰は避ける方向で問題が処理されるべきではないかと思うのです。
ましてや、この機会に、国家の機密保全に関する罰則の強化を図ろうとする動きが出ていることは、民主党の公約にも抵触するもので、むしろ国は機密や情報を国民に公開する方向での情報管理をこそ推進すべきでしょう。
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びわ湖大津館の庭の花


