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最近大学を離れ、論考を公表する機会が少なくなってきました。論文として公表する以外の資料や感想文などを公開する場を持ちたいと考え、このブログを開設しました。


by nakayama_kenichi
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検事の犯罪の捜査

 厚生省の元局長に無罪判決を下した大阪地方裁判所は、検察(大阪地検特捜部)の捜査が客観的な証拠も踏まずに、あらかじめ描いたストーリーに合うように供述調書を作り、十分な裏づけをしなかった点をきびしく指摘しました。それは、無罪という結果よりも、裁判を通じて取り調べの不適性さが浮き彫りになったことの方が検察にとって痛いという評価を生んでいます(元特捜検事の談話)。
 これは、従来からいわれていた「捜査の違法性」の顕在化というレベルの問題ですが、今回は追い討ちをかけるように、捜査主任が押収品のフロッピーディスクのデータを改ざんするという疑惑が浮上し、直接最高検察庁が乗り込んで、当の主任検事を「証拠隠滅罪」で逮捕するという前代未聞の事態にまで発展しています。
 しかし、これに対しては、素早い逮捕はこれ以上の失態を止めるという、なりふり構わぬ保身、組織防衛の心理が働いているとか、最高検がスピード逮捕に踏み切ったのは、主任検事の「個人犯罪」ということで幕引きを図ろうとしているからだとか、さらには、特捜捜査が地検、高検、最高検という決済ラインで行われおり、捜査しているのが事件の当事者ともいえる最高検なのは不適切で、弁護士を法務省が特別に検事に任官するなどして、第3者の目で捜査すべきではないか、といったきびしい批判が出ています。
 私も、まずは本件が検察特捜部の捜査過程で生じたことを重視し、最高検が検察組織としての責任を自覚した上で、この事件を検察の内部問題として拙速に処理するのではなく、特捜検事による犯罪の捜査をいかに公正に行うべきかという観点に立ち返って、外に開かれた捜査のモデルにすべきではないかと考えます。そして、その際、新任の民主党の法務大臣の賢明なリーダーシップが求められているというべきでしょう。
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          近くの小川のほとりの「さるすべりの花」です
検事の犯罪の捜査_c0067324_1052619.jpg

by nakayama_kenichi | 2010-09-23 09:51