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最近大学を離れ、論考を公表する機会が少なくなってきました。論文として公表する以外の資料や感想文などを公開する場を持ちたいと考え、このブログを開設しました。


by nakayama_kenichi
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小浜の明通寺と神宮寺

 8月6日から8日にかけて、余呉の中山の実家と若狭の乾長昭一家の墓参りをしてきました。猛暑の季節でしたが、流石に田舎は少し凌ぎやすく、無事今年のつとめを終えました。余呉では、故郷の味を満喫しましたが、畑の野菜や果物を猿や猪が荒らしに来ると聞いて驚きました。坂口の「余呉小劇場弥吉」のほか、木之本地蔵尊を久しぶりに観ました。
 若狭では、乾長昭氏の写真を掲げて集まったかつての門人たちの子孫の方々十数人に面会して、「百勿訓」の話などをして懇談しましたが、いまだに強い結束力が続いているというのは不思議というほかありません。「仙崖荘」跡も墓所も丁寧に管理されていました。
 7日の夕方以降は、若狭の奇人といわれる94歳の元気な老人と一緒に、近くの小浜まで出かけて、ひなびた温泉旅館に1泊しました。この方の戦前の戦争期から戦後にかけての古い体験談は、つきることなく続きましたが、しかし、今でも「山つつじ」を見て「漢詩」を書くといった積極性と関心の広さに、改めて驚嘆しました。
 8日は、午前中に、小浜の2つの著名なお寺を見学しました。「明通寺」は三重の塔のある本堂(国宝)で知られていますが、当日は修理中で見られなかったのは残念でした。ただ、94才翁はここでも50段以上の石の階段を一気に登られたことを記しておきます。
 一方「神宮寺」の方は、稀少な神仏混合寺として知られるだけでなく、奈良東大寺二月堂の「お水取り」に対応する「お水送り」の行事が、毎年3月2日に、この神宮寺の境内から「松明(たいまつ)」の行列が出発し、様々な装束をまとった多くの人々によって受け継がれて、「鵜の瀬」という川の水場まで運ばれ、そこから奈良まで「お水送り」が行われるという慣習が長年定着しているというのです。これは、おそらく、かつての朝鮮(唐)から渡ってきた渡来人が、小浜と奈良を水によって結びつけたものと思われます。
 できれば、来年も小浜を訪れたいものです。
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小浜の明通寺と神宮寺_c0067324_1112111.jpg

by nakayama_kenichi | 2010-08-09 10:12