刑法読書会500回
2010年 07月 23日
刑法読書会については、このブログでも紹介したことがあると思いますが、関西の刑事法関係の月例研究会(毎月第1土曜日の午後)の一つとして、私自身にとってもっとも身近な研究会です。私はその出発点となった第1回以来、(在外研究期間を除き)ほとんど欠かさず出席してきたのですが、それが、もう500回を数えるというのですから、驚きです。
刑法読書会の研究活動については、私自身が昭和43年(1968年)当時、法律雑誌に紹介したことがありますが(法律時報、昭和43年3月号)、ここでは、改めてその発端と由来を回顧しておきたいと思います。
創立は、昭和30年(1955年)の9月となっていますので、もう55年も前のことです。この研究会は、戦後間もない頃、立命館大学に復職された佐伯千仭先生が京都大学の平場安治、宮内裕両先生とご相談の上で、当時の若い助手や院生を集めて、ドイツを中心とした外国文献の「読書」会を提案し実行されたことに由来します。当初の会員は、3先生を含めて12名で、第1期生はみな昭和一桁時代の助手と院生でした。
私は、昭和28年(1953年)に大学を卒業して、旧制の大學院に進み、昭和30年8月には助手になっていましたので、刑法読書会の1期生としては最年長でした。しかし、実際には、研究者としての道を歩み始めたばかりの頃で、結核のあとがまだ尾を引いていて、健康にも不安が残っており、ほんとうにあぶなかしい出発点であったと回顧しています。
刑法読書会との縁は、その後も深まるばかりで、3先生の学恩を忘れることなく、500回を越えた今も、若い会員の研究報告を聞くのを楽しみに、できるだけ出席したいと念願しています。

