植木枝盛の「民権数え唄」など
2010年 07月 20日
1.「民権数え唄」(植木枝盛作詞、1877年=明治10年11月以前、20番まで)
一つとせ、人の上には人はなき、権利にははかりはないからは、この人じゃもの
三つとせ、民権自由の世の中に、まださめない人がいる、このあわれさよ
六つとせ、昔思えばあめりかの、独立なしたるむしろ旗、このいさましや
十三とせ、栄へ行く世の基本は、民の自由にあるぞいな、この知らないか
十四とせ、四民ひとつの世の中に、とぼけ華族のかえり咲、このめずらしや
十六とせ、牢屋の中のうきかん苦、ほれた自由のためなれば、このいとやせん
2.民権田舎歌(植木枝盛『民権自由論』付録、1879年=明治12年4月刊)
自由なるぞや人間(にんげん)のからだ/ 頭も足も備わりて/ 心の霊妙万物(ばんもつ)に越え/ 心と身とが倶はるは/ (ひとつ)の天地を云ふもよし/ 自分一人は一人で立つよ/ 何も不足はなひものぞいの/ そこらで人間を自由と申す/ 自由じゃ自由じゃ人間は自由/ 食(くろ)ふも自由に生きるも自由/ 心は思ひ口は言ひ/ 骸(からだ)は動き足(あ)しや走る/ 視たり聞たり皆自由/ 自由にするのが我権利/ 自由の権利は誰も持つ/ 権利張れよや国の人/ 自由は天の賜物じゃ/ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
なお、植木枝盛は36歳の若さで亡くなっていますが、遺稿集の中に、『未来が 其の胸中に在る者 之を青年と云う』という言葉があります。