十一面観音像の絵
2010年 05月 20日
二度目の面会ですが、元はと言えば、これも郷里の余呉町の中学の旧友からの紹介で、郷里の公会堂に「天女の伝説の原画」を寄贈された方とお知り合いになったという関係です。当日も、話がはずみましたが、とくに印象に残りましたのは、最近描かれたという「十一面観音像」の大きな水彩画で、堀井さんの手による繊細な筆致とともに、観音さん自身の慈悲深い温顔に心を奪われました。
この辺りのお寺には、とくに十一面観音像が数多く存在するのですが、この絵は湖北の高月町にある「向源寺」境内の渡岸寺(どうがんじ)の十一面観音像(国宝)として著明なものを模写されたものです。この観音像は戦国時代の戦乱による災厄を逃れるために民衆が土中に埋めていたものが発掘されたもので、金箔は落ちていますが、その風格は抜群で、「世界で一番美しい十一面観音像」ともいわれています。
堀井さんは、その魅力に惹かれ、向源寺までたびたび通って、3ヶ月をかけて描きあげらたとのことです。外形の描写もさることながら、その仏の心と魂をいかにして絵の中に再現するかという点に一番心を砕いたと述懐されています。当日は、写真をとれませんでしたので、もうひとつの大きな作品(甲骨文字の模写)の一部を再現した上記の著書の表紙の絵を紹介しておきます。
また、お邪魔して、十一面観音像の絵を見せて頂きたいと思うとともに、次回帰郷した折にでも、高月町の向源寺(渡岸寺)を訪問して、本物の十一面目観音像じたいを拝見しみたいという念願にかられています。
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堀井湖芳さんの甲骨文字の絵