米軍志願兵の増加
2010年 03月 24日
自衛隊志願という状況は日本でも同様で、構造的な経済的不況の下では、自衛隊は今や最も安定した職業の一つになりつつあるといえそうです。しかも、米兵と違って、戦争のために戦地に派遣されるというおそれがないという点にも決定的な違いがあります。「憲法」があるおかげで、日本の自衛隊は、国際的にも「災害救助隊」としての性格と役割に限界づけられる可能性を残しているのです。
それに反して、イラクやアフガンに派遣される米兵は、現代的な大量殺戮戦争の現場に追いやられるという悲劇的運命にあるにもかかわらず、これを救う手段がないことを思うと、暗然たる気持になります。イラクやアフガンの市民を救うためにも、アメリカは直ちに戦争の泥沼から脱却して、和平への道を探るという選択肢を選ぶべきで、それがオバマ大統領の決断に期待されたのですが、現状ではまだ「増派」を決定するという悪循環に陥っています。
現在の世界は、今や世界最強の米軍をもってしても、軍事的な解決の見通しがないという現実にあることを人類に教えているといってよいでしょう。核戦争にまで及ぶ軍事的手段では地球が破壊されてしまうことが明らかな状況下では、軍縮と非軍事的方法による紛争解決への方向転換しか残された生きる道はないことを自覚して行動を起こさなければなりません。日本がかかえている米軍基地の問題も、「日本国憲法」の精神によってアメリカを説得するという姿勢を持たなければ、根本的な打開策は得られないように思われるのです。

