千葉法務大臣に問う
2010年 03月 17日
法制審議会案は、もとは法務省の官僚が作ったもので、これをほとんどそのまま通してしまう「法制審議会」も、かつての自民党政権下のものと全く変わっていないのが現状です。千葉法務大臣としては、何よりもこのような官僚主導の立案体制(官僚が支配する審議会)にこそメスを入れることが期待されているはずです。
なお、最近の法律雑誌(法学セミナー2010年4月号)には、「千葉景子法務大臣に聞く」というインタビュー記事が掲載されていますが、ここでも法相の発言にいくつかの疑問を感じました。
1.法務行政においても国際的潮流は十分意識されているといいながら、日本が国際機関から受けているさまざまな指摘について(代用監獄における取調べなど)、具体的な改善提案は何一つ示さず、今後の努力が問われているところでしょうというのみ。
2.「取調べの可視化」は、韓国で凄いスピードで実現しているとしつつ、だからといって負けてなるものかと日本が躍起になるのは望ましくないという「慎重」な姿勢。
3.法科大学院制度について、由々しき事態だといいながらも、法務省内で文科省と研究して行く段階というのみで、改革の方向性すら示そうとしないこと。
なお、阿部教授の質問項目には、時効問題も入っていませんでした。

