「日米同盟」の見直し
2010年 01月 28日
しかし、このような図式自体を前提とする限りは、事態はもう限界に来ているといわざるを得ません。それは、現在の沖縄に集中したアメリカの軍事基地自体が、実は「日本政府からの援助金」と引き換えに押し付けられたものであり、しかもそれが沖縄の復興に寄与せず、市民間の軋轢を生むという矛盾した状態が続き、むしろ悪化しつつあるというのが実態ではないかと思われるからです。このまま、そして今以上に「飴と鞭」の政策を続けることがやむを得ないことなのか、そこから抜け出す道はないのかという議論が今こそ要請されているというべきでしょう。
それは、いわゆる「日米同盟」自体の見直しをも視野に入れることを意味するのですが、日米安保条約を前提とした上でも、もう一度その出発点に立ち帰り、日本国憲法との関係を再確認した上で、日本における米軍基地のあり方を見直すことが求められていると思われるのです。来年度の予算が議論される場合にも、自衛隊の予算を含めて、在日米軍基地に関連する予算については、一種の「聖域」として扱われ、マスコミもほとんど触れようともしないのはおかしいのではないでしょうか。
実際には、米軍基地は134箇所、米兵は約5万人、基地の使用料は無料で、無税という特権が与られている上に、日本側の分担金が6300億円、いわゆる思いやり予算が2083億円(2008年)といった状態が、なぜ問題にならないのかという疑問があります。少なくとも、見直されるべき「地位協定」の内容を、マスコミはもっと具体的に国民の前に知らせるべきでしょう。

