年末研究会
2009年 12月 30日
しかし、私自身は、最近次第に出席率が下がってきて、昨年と同様、今年も2日目のl日しか出られないという状況が続いています。かつては打ち上げの懇親会にも顔を出していたことがありますが、最近はほとんど出席しなくなってしまいました。残念というほかありません。
ただし、今後も年末研究会には、一回は必ず顔を出して、自分自身のその年の研究の締め括りをするとともに、何とか刑法読書会への若い方々の結集を促進する役割ができればと念願しています。研究会での報告と討論によって、出席者の各人が学問的な刺激を受け、一層のレベルアップを目指すことが真剣に求められ、実現の可能性が与えられているという初期からの理念は変わっていないと考えられるからです。
今年の研究会で聞いた報告の中で印象に残った点を二つ挙げておきます。一つは刑事手続における被疑者・被告人の取調べ過程の「可視化」(録音・録画)に関してで、それは単に導入すればよいといった単純な問題ではなく、無批判に導入すると、かえって録画部分が有罪証拠に使われるというジレンマがあるという指摘です。今一つは、少年法における「要保護性」と「責任」との関係について、とくに重大な事件を起こした「触法少年」の「要保護性」が再非行の危険性に対応するといわれるとき、それが「触法精神障害者」の「再犯のおそれ」とどのように関係するのかという問題との比較検討が示唆されていた点です。
この年末もまた、啓発されながら研究を続けるという意欲と刺激を受けて終りました。