中国訪問余滴(2)
2009年 11月 14日
7.南京の大虐殺記念館の見学は、日本人としては、やはり特別の思いがあり、私自身にも短期間の兵役経験がありましたので、凄惨な現場や写真などの迫力を実感することができました。しかし深刻な慙愧の念は、被害者の家族である李秀英という人の次の言葉で少し救われたようです。「歴史をしっかりと覚えよう。しかし恨みを覚えてはならない」〈what we must remember is history, not hatred〉。
8.南京大学よりも、むしろ武漢大学のキャンパスの広大さに驚きました。面積が約400万平方メートルで、学生数は約4万8千人、教員数は約3500人という大規模なものですが、そのキャンパスがほとんど緑の森と林に覆われているのですから壮観です。自動者や自転車やバイクのほか、学生送迎用のオープンカーも走っていました。そして、大学構内にホテルやレストラン、教職員宿舎のほか、全員収容の学生寮や日用品店などもあって、ひとつの独立した世界を形成しているようでした。
9.お土産として、私は自分の著書を数冊持参しましたが、これが好評で、とくに武漢大学法学院には、宮沢浩一教授が寄贈された「宮沢文庫」のほか、日本語の法律専門書が多く蒐集され、そして現によく読まれているとのこと、そして私が頂いた馬先生の著書には、日本語の文献が最近の著書も含めて数多く引用されているのを見て、驚きました。
10.南京では、2人の女子院生、そして武漢でも1人の女子院生が私の滞在中付き添って面倒をみてくれましたが、これらの院生は、日本語を読みかつ少し話せる能力があり、いずれも来年あたりに日本の大学(京大、早稲田、北大)に留学の予定があるとのことでした。これからも、教員だけでなく学生も日本への留学が増えるものと期待されます。
11.南京を去る前夜に、市内のマッサージ専門店で、足のマッサージ(正味1時間)を受けましたが、これは本格的なもので、もう一度現地で経験してみたいと思いました。ただし、同様の店は日本にもあるようです。



