友愛社会への期待
2009年 10月 17日
訪問記をこのブログでも取り上げましたが、95歳の長尾寿賀夫理事長から、その元気
な老婦人を通じて、丁重な礼状とともに、「風の子通信」に書かれた「友愛社会への期待」
と題する文章が送られてきました。手紙は、自筆のものですが、大きな拡大鏡を使って苦
労して書かれたもので、判読が困難な部分がありましたが、おおむね解読できました。
まず、書状のなかでは、「死刑を執行しても1人の人も救えない」という廃止論者の意見
は誰のものかという質問とともに、13年間介護した妻を殺そうとして10間の怪我させた夫
に懲役4年執行猶予4年の刑を言い渡した最近の判決のなかに、あたたかさを感じている
という指摘がありました。
一方、「友愛社会への期待」のなかでは、はっきりと民主党政権、とくに鳩山首相の「友
愛社会を築く」という主張に共鳴し、アメリカのオバマ大統領との連携に期待がこめられて
いますが、ここでは、北朝鮮とアメリカに対する関係についての意見を紹介しておきます。
「韓国の李明博大統領との会談では拉致・北朝鮮の核問題が協議されましたが、友愛を
掲げる鳩山政権としては金大中元大統領の太陽政策だと思います。しかし、日本の保守政
権による失政から北朝鮮は拉致問題には絶対に応じないと思います。北は、国際社会から
の孤立が不利であり拉致抜きで6者会議に復帰するものと予想します」。
「アメリカとの関係についてよく聞く言葉に『真の友人であるなら言うべきことはきちんという
べきだ』とあります。確かにヨーロッパ人に比べて日本人は率直に言いません。そこまで言
いたいのは、アメリカが他国に干渉し過ぎることです。いま、世界から孤立しているのはそこ
だと思います。一国主義の課題かもしれません」。
95歳になっても、まだ休まず、よく現状を見抜いておられると感心しました。

