世論調査の見方
2009年 07月 27日
まず、朝日新聞によりますと、「裁判員『応じる』72% 若い人ほど意欲 裁判員に呼び出されたら応じる人は7割。若い世代ほど応じる割合は高くなり、年代が上るほど消極的になる傾向が浮かび上がった。『義務だから、なるべく行く』が58%、『義務かどうかに関係なく行く』は14%と、応じる意向を示した人は計72%だった。一方、『義務でも行くつもりはない』と答えたのは26%で、ほぼ4人に1人。年代が上るほどその傾向は強まる。『有罪・無罪の判断が難しそう』、『自分の判断が被告の運命に影響するので荷が重い』といった理由が多い」。
これに対して、東京新聞によりますと、「裁判員候補者25%『行かない』 裁判員候補者として呼ばれた場合、『義務だとしても行くつもりはない』と答えた人が25%に上った。一方、『義務であるか否かにかかわらず行きたい』の積極派は13.6%、『義務だからなるべく行かねばならない』が57.9%だった。5月21日の裁判員制度施行以来、各地裁などで裁判員裁判が始まっており、8月3日には初の判決公判も開かれる予定だが、国民の間に裁判員への抵抗感が依然根強いことをうかがわせた」。
他の新聞は見ていませんが、同じ世論調査についての評価が、前者では、「応じる」が全体で72%と高いことが前面に押し出されているのに対して、後者では、「義務でも行かない」が25%もある点を捉えて、消極的な抵抗感がなお根強いことが指摘されているのです。
これは、同じ調査結果を前提とした場合にも、見方によって評価が分かれることを示す、興味のある実例を提供しています。このような異同はまた、裁判員制度における裁判員の役割の評価の仕方にも関係してくるものと思われます。