小石川後楽園
2009年 07月 12日
大きな池のほとりのベンチに座って、涼風を感じながら、池を眺めていますと、池の中や周囲には、鯉や亀や鷺など、多くの動物が生息しており、自然の営みを実感することができます。足元には鳩や雀も近づいてきて、逃げようともしません。今の季節は、緑一色ですが、菖蒲の花が一面に池を覆って綺麗に咲いていました。
石畳の道に沿って、庭園を一周するコースを歩きましたが、車椅子でも廻れる道も用意されていて、高齢者や障害者にも親切な配慮がなされています。興味を惹きましたのは、この池が琵琶湖とも縁があると思われたことで、「竹生島」の名があったり、「唐崎の松」をかたどった立派な松の樹も見ることができました。
この庭園は、江戸時代初期の寛永6年(1629年)に、水戸徳川家の頼房がその中屋敷として作ったもので、2代藩主の水戸光圀の代に完成したものといわれています。光圀は、円月橋、西湖堤など、中国の風物を取り入れたため、中国趣味豊かな特色があります。
そして、「後楽園」の名は、中国の范仲淹(はんちゅうえん)による「天下の憂いに先だって憂い、天下の楽しみに後れて楽しむ」という言葉に由来するものですが、この言葉は前にも聞いたことがあります。
四季折々の花(梅、桜、藤、つつじ、さつき、かきつばた、睡蓮、紅葉)と風情が楽しめる「後楽園」にまた来て見たいなと思いつつ、庭園を後にしました。
