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最近大学を離れ、論考を公表する機会が少なくなってきました。論文として公表する以外の資料や感想文などを公開する場を持ちたいと考え、このブログを開設しました。


by nakayama_kenichi
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小石川後楽園

 東京に所用で行くことはあっても、市内を散策するような機会はほとんどなかったのですが、今週末は、ふと足をのばして、小石川後楽園に立ち寄る機会がありました。大きなビルの立ち並ぶ都心の中にぽっかりと空いた広い緑の空間の中で、歴史に刻まれた由緒ある庭園の静かなたたずまいに心を洗われる思いがしました。
 大きな池のほとりのベンチに座って、涼風を感じながら、池を眺めていますと、池の中や周囲には、鯉や亀や鷺など、多くの動物が生息しており、自然の営みを実感することができます。足元には鳩や雀も近づいてきて、逃げようともしません。今の季節は、緑一色ですが、菖蒲の花が一面に池を覆って綺麗に咲いていました。
  石畳の道に沿って、庭園を一周するコースを歩きましたが、車椅子でも廻れる道も用意されていて、高齢者や障害者にも親切な配慮がなされています。興味を惹きましたのは、この池が琵琶湖とも縁があると思われたことで、「竹生島」の名があったり、「唐崎の松」をかたどった立派な松の樹も見ることができました。
  この庭園は、江戸時代初期の寛永6年(1629年)に、水戸徳川家の頼房がその中屋敷として作ったもので、2代藩主の水戸光圀の代に完成したものといわれています。光圀は、円月橋、西湖堤など、中国の風物を取り入れたため、中国趣味豊かな特色があります。
  そして、「後楽園」の名は、中国の范仲淹(はんちゅうえん)による「天下の憂いに先だって憂い、天下の楽しみに後れて楽しむ」という言葉に由来するものですが、この言葉は前にも聞いたことがあります。
  四季折々の花(梅、桜、藤、つつじ、さつき、かきつばた、睡蓮、紅葉)と風情が楽しめる「後楽園」にまた来て見たいなと思いつつ、庭園を後にしました。
小石川後楽園_c0067324_9213179.jpg

by nakayama_kenichi | 2009-07-12 21:27