刑法読書会490回
2009年 06月 08日
刑法読書会については、このブログでもたびたび触れていますが、私自身の研究生活の中では、一番身近で大事なものですので、刑法読書会が時代の変遷にも耐えて、これまで500回近くも継続してきたことには、一種の感慨を覚えざるをえません。
この研究会は、佐伯先生が平場・宮内先生とご相談の上、戦後の1950年頃に立ち上げられたもので、当時は私どもの世代が助手か大學院生の時代でした。すでに60年ほども前のことで、まだ京都府立医大付近にあった立命館大学の古いキャンパスの中の狭い部屋で行われ、10名程度のこじんまりした集まりであったと記憶しています。
刑事法に関する外国文献、とくにドイツ語で書かれた文献を紹介するというのが会の目的で、私どもの世代の者も、最初は文字通り四苦八苦の連続でした。私も、何とか人なみにドイツ語文献の紹介を担当しましたが、私自身は、本来が旧制高校で文科甲類(英語が第1外国語)に属していた上に、ロシア語文献の購読の方に力を入れていましたので、肝心のドイツ語文献の紹介には積極的に取り組まないままに終わり、それが今日まで響いています。しかし、刑法読書会がなかったら、ドイツ語文献を読む機会はもっと少なくなっただけでなく、研究会で人の報告を聞いて、内容を理解し、すぐに質問するという、研究者として最も基本的な基礎的訓練を磨く機会にも恵まれなかったであろうと思います。
6月6日の読書会には、30名以上の会員が集まり、盛況でしたが、若い会員が多く、第1回目から出ている初代会員はわずか私1人という状態でした。いつまで続くか分りませんが、500回記念の研究会までは行けるだろうと思っています。

