横浜事件に無罪判決を
2009年 03月 23日
敗戦の直後で、治安維持法がまだ廃止されていない短い期間内に、当時の横浜地裁が急いで下した有罪判決に対して、治安維持法の廃止後に、犠牲者が「再審」の訴えを提起したのですが、ようやく認められた「再審」でも、確定判決があることを理由に「免訴」という形式判決にとどまりました。しかし、犠牲者とその遺族はこれに満足せず、あくまでも「無罪」判決を求めて、「再審」はなお続行中です。
それは、治安維持法のもとでもかつての有罪判決が「誤判」であったことを明確にすることが、犠牲者の真の願いであり、それが特高警察による治安維持法の適用を認めた裁判所に対する歴史的な審判にもつながるという確信に支えられているからです。当時の特高警察は、すでに当時の関係書類を全部焼却して証拠を隠滅していますので、第4次「再審」を開始した今の横浜地裁が「無罪」判決を言い渡すには困難があることは事実ですが、国家権力が行った非道な悪事を裁き直すという勇気をもった「英断」を今の横浜地裁に期待したいものです。その趣旨で、私も横浜地裁の大島裁判長に「英断期待」のはがきを送る運動に協力しました。